
各種育毛剤はこれまで、薬の副作用として発見される例が多いのですが、「ヘルシンキ・フォーミュラ」の原型も、皮膚ガンの研究中に見つかりました。
それは1973年、フィンランド国立ヘルシンキ大学医学部で、皮膚ガンの研究をしていたときのことです。
長年研究を続けていた1976年のある日、研究スタッフがふと気付きました。
「このマウス、毛が生えている!」
ある成分が、マウスの毛髪の成長サイクルを変え、休止期だった毛がなぜか成長期に変わったのです。
この成分こそが、現在「ヘルシンキ・フォーミュラ」に使われている乳化成分ポリソルベートなのです。
さらに研究はすすみ、同大学のカイ・セタラ博士らのグループは、この成分に特別な効果があることを確認しました。
それは、ポリソルベートが、
「皮膚や毛包につまっている脂やよごれを乳化して除去していること」
「その後、発毛が促進されること」でした。
そして研究をつづけ、2年後に、研究成果をまとめたのです。
そして、ヘルシンキ大学の研究チームは「毛包の成長を促進させる技術は可能である」と考えました。毛包さえあれば、道は開けるのだと。
「ある物質が偶然、毛髪の成長をうながしたのだとすれば、その物質が毛髪の成長のための条件を満たしたからではないのだろうか」研究チームはそう考えたのです。
それから、ヘルシンキ大学ではさらにボランティアによる人を対象とした実験が行なわれました。
実験のボランティアは全員男性でした。
「円形脱毛症の場合、自然治癒も考えられるから」と、円形脱毛症の人は対象外とし、さらに薬物療法(抗生物質など)を受けている人も除かれたのです。
この実験に使われた乳化成分は、ポリソルベートの一種で、この物質で治療を受けた人はわずか13名にすぎなかったが、当初としては大成果があったのです。
13名の人びとの脱毛部分に9ヶ月にわたって投与したところ、11名で毛包数が増加しました。
そして、この物質はつぎのように作用することが判明しました。
「皮膚表面に投与すると、すみやかに表皮に透過し、毛包周囲に浸潤する。」
「表皮と毛包の両方において急速な細胞分裂が誘発される。 」
「洗浄効果により毛孔から、ケラチンの残滓とよごれが排出される。 」
「血流とリンパ液の循環を促進する。」
つまり、ただ、脂をとるだけではないことがわかったのです。そして、もっとも重要な作用はつぎの点であると、ヘルシンキ大学は報告しています。
「皮膚表面に存在する過剰なコレステロール、その他の油脂化合物を除去する。」
その結果、次のようなレポートをしました。
【男性ホルモン(アンドロゲン)は、精巣においてのみ、つくられると言われていましたが、コレステロールがヒトの皮膚で合成されると、頭皮には、その場でアンドロゲンへと代謝されることが知られています。
したがって、もしアンドロゲンが男性型脱毛症(AGA=Androgenetic Alopecia)の原因だとすれば、皮膚で合成されるコレステロールも脱毛症状に関係するはずである。】
さらに、コレステロールについて重要な一点がある。
【細胞中のコレステロールが限界量をこえて存在すると、細胞膜の穴がふさがれてしまい、これが固定すると、細胞分裂はおそくなる、という事実がある。
これに対して、われわれ(ヘルシンキ大学)の実験では、この物質でコレステロールをとりのぞくと、細胞分裂のスピードが上がったのである。しかし、どのくらいコレステロールをとれば、適当であるかがむずかしい。いわばそのさじかげんである。
この物質の最大のポイントは、以下である。
細胞膜のコレステロールとその膜に対する効果が、細胞増殖現象において、決定的な役割を果たしているということである】













